こころ

 

夏目漱石の「こころ」を読み終えた。

 

この本を読み始めたのが、いつ頃だったのか...

先生の手紙に入ってから、なかなか読みすすめられなくなって

しばらく放置していたのだけれど、

あまりにも読みかけになっている本ばかりが積まれている

自分の「やりとげる力のなさ」に愕然として

とりあえず、読み終えていこうと。

 

先生の手紙が、自分にとって、どうしてそんなに

読みにくいものだったのか。

それは、言い訳のように、前振りが長すぎると感じて

じれったくなっていたこともあるし、

この小説の題名が『こころ』となっていることに表れている

人のこころの浮き沈みや、目を背けたくなる嫉妬心など

自分の心情の中にも存在する弱さや脆さの要素が

丁寧すぎるほどに、描写されているからだと思った。

 

以前、どこかで、

日本で一番売れている本は、太宰治の『人間失格』と

夏目漱石の『こころ』だと聞いた気がする。

発売されてからの月日が長いということも、その理由の一つ

なのだろうとは思うけれど

時代が変わっても、読んでみようと思う人がいつづけている

というでもあるだろう。

 

万葉集などからも、人が人を想う気持ちや、人生への迷い、

季節から得る風情や情緒のようなものが

人のこころに、変わらずにあるものだと感じるように、

文明が進化して、常識や価値観が形を変えても、

人のこころに生まれる、苦悩や葛藤のような揺れは

たやすく割り切れるものではなく

悔いを重ねながら、生きていくしかないことを知るところに

この小説の読み継がれる理由があるのかもしれない。

 

 
 

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by sawaki-home | 2018-05-17 12:00 | book

Painting is poetry that is seen rather than felt, and poetry is painting that is felt rather than seen. [Leonardo da Vinci]


by sawaki
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