夏子の冒険

 

三島由紀夫さんの『夏子の冒険』を読んだ。

これも、何年か前に買って、途中になっていた本の一つ。

 

読み始めの頃は、育った環境の良さと美貌と頭の回転の速さが

彼女の自信となって、大胆な行動や言動に表れているのかな?と

たぶん、僻みのような感情が私の中に生まれていて

彼女に共感できないところが読みすすめられなかった理由かな?

とも思うのだけれど、

とりあえず、そんな彼女が、どんな人に惹かれていくんだろう?

この物語は、どんな展開になるのだろう?と思いながら

読みすすめていくことにした。

読んでいく中で、やっぱり男性というのは、美貌に弱いのか?

と感じたり、足手まといになるなんて考えない思考や行動力って

すごいな...と思ったり、

夏子も夏子だけれど、このお母さんたちの勢いもすごいな...

と思いながら、なんだか面倒なタイプの人たちだな、と、

距離感をもって関わるならいいけど、あまり近づきたくない

タイプの人たちだなぁ...と感じていたのだけれど、

終盤になってくると、その様子が微笑ましく思えてきたりして、

夏子の最後の台詞を聞いた時には、「それでこそ夏子だ♪」と

彼女に拍手を贈りたくなった。

 

三島由紀夫さんの作品は、他に読んだことがなくて、

日本人として、『金閣寺』くらいは読んでおかなくちゃと思って

買ったことは買ったのだけれど、これも開くこともないまま

未だ書棚に並んでいる。

三島さんというと、やはり「割腹自殺」前の姿が思い浮かんで

その印象だけで考えると、この『夏子の冒険』の、特に

夏子の母や祖母、伯母たちの描写が、すごく意外な感じがした。

結果的には、夏子より、彼女たちが経験したことの方が

大冒険じゃないかと思うのだけれど、

夏子の洗練された感じ比べ、小説の中ではブルジョワな感じと

表現されていた彼女たちの振る舞いや言動が、

よっぽど生身の人間らしいと思えて、それまで私が抱いていた

三島さんのイメージと、すごく遠いもののような感じがした。

それこそが三島さんの、作家としての力量ということなのかな?

 

まだまだ、読みかけの本はあるのだけれど、今月は、

『こころ』と『夏子の冒険』を読み終えるという目標だったので

とりあえず目標達成!

小さなことからコツコツと「やりとげる」という経験を重ねて

自分を信頼できるようになっていきたいと思う。

 

 

 



 

 


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by sawaki-home | 2018-05-20 04:00 | book

Painting is poetry that is seen rather than felt, and poetry is painting that is felt rather than seen. [Leonardo da Vinci]


by sawaki
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