カテゴリ:art( 9 )

ピロスマニの恋心

 

様々な問題が浮き彫りになってきている相撲界ですが

初場所は、ジョージア出身の栃ノ心関が優勝しましたね。

 

ジョージアと聞いても、どこだっけ?という感じだったのですが

ソビエトから独立した『グルジア』と呼ばれていた国と知り、

ニコ・ピロスマニの国だ!とわかりました。

 

ニコ・ピロスマニは、加藤登紀子さんの「百万本のバラ」で

歌われている「貧しい絵描き」のモデルとなった人物。

町を訪れた女優マルガリータに恋をして、

彼女が宿泊するホテルから見える広場を花でいっぱいにした

という逸話がもとになっているそうです。

独学で絵を学び描いていた彼の絵は、現在では「素朴派」という

分類をされていて、グルジアでは国民的画家となっていますが

当時の美術界では酷評されることもあったそうで、

日々の食事代や酒代のかわりに、そのお店に飾る絵を描く...

ということもあったと聞いたことがあります。

アンリ・ルソーの絵にも通じるような、温かみを感じる作品で

そんな逸話も含めて、心惹かれる画家の一人ですね。

 

私は以前...(あれは渋谷だったかな?)行われた展覧会で

彼の絵を観たことがあります。

その展覧会の音声ガイドで、百万本のバラのモデルとなった

人物だということを知ったんですよね。

でもそのことは、展覧会で展示されている解説文や、

リーフレットにも紹介されていなかったので、

その展覧会以来、音声ガイドは必ず利用することにしています。

 

自分自身が、必ずしも自分自身を理解できているとは言えない

と思うこともあるけれど、

他者の価値観や、時代の風潮などが影響した評価が

必ずしも、その作品や人物を正当に評価できているわけではない

ということも、頭の片隅において、

自分の感性を大切にしていけるといいですよね。

 

 

 

 

 


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by sawaki-home | 2018-01-29 14:52 | art

ピエタ

 

ミケランジェロ作の『ピエタ』です。

 

 



 

 

この画集は、子どもの頃から我が家にあったものなのですが

この作品を知ったのは、24歳か25歳の頃です。

当時、沢木耕太郎さんの『深夜特急』を読んでいて

その旅の中で、ローマを訪れた時の場面に、

この『ピエタ』が出てくるんですよね。

その旅をしていた頃の沢木さんも25歳くらいだったそうですが

『ピエタ』も、ミケランジェロが20代前半の頃の作品で、

その作品と、ローマで出会った子供を連れた青年の姿に

沢木さん自身が「自分は何をしているのだろう」と感じたという

場面があるんです。

同じ年頃に、ミケランジェロは傑作と言われる作品を作っていて

青年は子育てをしているのに、自分はこんな旅をしていると。

でも、その場面を読んだ私は

それでも沢木さんは、たった一人で世界を歩いていて、

私は、同じ年頃に、それを読んでいるだけなんだよな...って

思ったんですよね。

 

 

この間、「アヴェ・マリア」を聴いて

この『ピエタ』のマリア像を思い出したんですよね。

そして、この『ピエタ』を思い出したら

「深夜特急」を読んだ時のことを思い出して。

長い長い旅の作品だけれど、私の記憶に一番残っているのは

その場面なんですよね。

 

死ぬまでに、一度は実物を観てみたいと願う作品の中の一つ。

バチカン市国サン・ピエトロ大聖堂にある『ピエタ』です。

 

 

  Ave MariaShogo Hamada



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by sawaki-home | 2017-12-18 00:45 | art

つばさのゆくえ

 

天使の翼を観ていたら

『サモトラケのニケ』が浮かんできました。

 

 

 



 

 

これは「勝利の女神」で、天使というわけではないようですが。

初めて見たのが、いつごろだったのか思い出せないけれど

(もちろん、ルーヴルにある実物を観たことはありませんよ。)

頭部も腕も失っているというのに...
その立ち姿が、とても凛々しいというか、誇り高く見えるんですよね。

もしかしたら、どこにも破損のない完全な姿の像であったときより

現存の姿の方が、心を惹き寄せる魅力がより強く宿っていると

思えるような。

 
 
 

とりとめもなく、思考は転々としていく。

潜在意識なのか顕在意識に影響されてなのかはわからないけれど

自由に思考を開放して、その足跡をたどっている感じ。

そんなことをしているうちに、思いがけない光りを発見することが

あったりもするんですよね。
 
  
そういえば『素晴らしき哉、人生!』に登場するクラレンスは、
翼をもらえていない二級天使だったなぁ~とか。
 
『天使の贈りもの』のダドリーは、
―「天使=翼」という固定概念にとらわれてはいけない―
って言ってたよな... とかね。
 
『アンジェラ』の翼は、終盤の場面にしか現れなかったけれど
彼女は、自分の中にある孤独や哀しみを認めることで
人間になれたんだった... かな?とか、
 
『ベルリン・天使の詩』のダミエルは、人間に対して
声を聞くだけで何一つ関われない存在であることが嫌になっていて
マリオンに恋をし、人間になることを決心するんだったな... とか。
 
そんなことを思い出しているうちに、
「人間は天使に憧れ、天使は人間に憧れるのか?」なんて考えたり。
 
 
どこにたどり着くかもわからない思考を巡らせながら
空想の旅をしているような感じですね。
 
カテゴリを『art』にしたのに、
最後は、映画の話ばかりで終わってしまう... というね。
 


 

 

♬ ボクの背中には羽根がある(織田哲郎) 

 


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by sawaki-home | 2017-08-16 00:17 | art

自画像

 

自画像って、描いたことがないんですよね。

たぶん、自分の姿を直視することから

逃げているんだと思うんですけど。

 

毎日、鏡で自分の姿は見ているけれど

それってどこか、見て見ぬふりができているというか

見たいところだけを、見ているような感じなので

たまに自分が写った写真なんかを見ると

がっかりしてしまうんですよね。

 

これが現実なんだなぁ... と。

 

でも、このたび?というか今年は、かな?

自分のダメなところも、ちゃんと受け止めよう!

という年明けの想いもあって、

まずは自分を直視しなくちゃなぁ... と

自画像に挑んでいます。

ただ、それがやっぱりね、

描き始めに、こんな感じかな?と思って素描した線から

かなり修正が必要な状況になっています。

目を背けたくなるような、肌のたるみとか、影とかも

なるべく忠実に描こうとはしているんですけどね、

それでもまだ、あんまり実物と似ていなくて

美化しているような状態になっています。

お恥ずかしい...

 

自画像って、

自分の外見を描こうとしているのに、

自分の内面と向き合っている感じがしますね。

 

まぁこれも、いまの私に必要な試練?かな...

さて、どんな出来になることやら。

 

この絵が私に似てきたら
私が、いまの私自身と、しっかり向き合いきれた
ということのような気がしています。
 
 
 

 

 


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by sawaki-home | 2017-07-09 04:17 | art

今日も、筆を持つ。

 

絵を描いていく過程では、

立ち止まりながら、迷いながら、考えながら

何度も塗り重ねて、少しずつ前より良くなっていく

少しずつ、自分が望むものに近づいていく

その感じが好きです。

技術が向上してゆけば、修正も少なくなっていくのでしょうが

迷いのない一筆で描くというのは、私には難しくて

行きつ戻りつしていることが多々あります。

 

そんなことを思うと、描くという過程も

まさに私の人生そのもので

何度も立ち止まり、迷い、考え、仕切りなおす...

ということを繰り返していると思います。

 

仕事も、人間関係も、暮らしかたも含めた生きかたも。

 

一度筆を入れたら、たとえ白に塗りつぶしたとしても

何も描かれていない時の真っ白なキャンバスには戻せません。

けれど、修正することを愚かなこととして

一筆も入れずにいたら、何も描くことはできません。

できるなら修正の少ないものを完成させたいと願っているけれど

塗り重ねた一筆一筆を、記憶し、心に学びとして刻めたら

昨日よりは今日、今日よりは明日と

願うところへ、近づいてゆけているのだと思うのです。

 

投げ出してしまえば、楽になれると思えることもあるでしょう。

諦めることを自分に納得させることが必要な場面もあると思います。

けれど、自分の人生おいて

病や災害や他者に命を奪われる状況でない限り

可能性の芽を摘む決断をしているのは自分自身だと思うのです。

 

これ以上、よくならないのか。

最善と思えることを最大限考え、行動できたか。

 

自分に問うと、いつも、そこまでできたとは言えない気がして

そんな自分の弱さと向き合いながら、

ため息をいっぱいこぼしながら、今日も筆を手にしています。

 

 

 


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by sawaki-home | 2017-02-20 16:00 | art

人生の一部分

NHKのEテレで放送されていたETV特集
 『墨に導かれ 墨に惑わされ ~美術家・篠田桃紅 102歳~』
を観ました。

ご飯を食べて転寝をして、ぼんやり目覚め
何気なくテレビの番組表画面を見ながら
何か面白そうな番組ないかな...と
思っていたところ
この、「102歳の美術家」という言葉が目にとまり
観てみることにしました。

彼女のプロフィールなどは、番組のサイトや
彼女の名前を検索すれば知ることができるので、ここでは省略。
ともかく、観てよかった!
彼女を知って、彼女の言葉を聞けてよかった!
そう思えました。

自分の性格や物事の捉え方が生き方となり
創作のスタイルとして確立されているその姿や立ち振る舞い
思考や言動が、番組の中で紹介されており
共感できる...ように感じられたり
気づけていなかった視点を与えられたような気持になれたり
いまの自分を客観視する機会になりました。

その中でも、特に印象に残ったのは、
「生きていくというのは、孤独なこと。
たとえ親子や夫婦や友人であっても、自分の一部分を共有しているに過ぎない。
人は、一つの命として生まれ、死んでいくもの。
だから孤独は、孤独で寂しいとかつらいとか思うのは
その真理と向き合えば無駄なこと...」

というお話をされた場面でした。

私は、ここのところ
自分ではない誰かの本心が知りたい、その人そのものを理解したい...
という気持ちが強くなりすぎていて
それを理解できないことも、相手が心を開いてくれないからだと
相手が私の気持ちを理解しようとしてくれないからか
もしくは、自分が相手に期待し過ぎていたのかもしれない...と感じ
その人との関係にも蟠りを残し、
その人とは、その程度の縁なのだと、頭で心に言い聞かせながら
無理矢理、気持ちを別の方へ向けようとしていたところだったので
桃紅さんのその言葉を聞き、
そんなんだ...自分のことをすべて理解してもらうのも無理だし
相手のことをすべて理解しようと思うことも無理なことで
縁があった人と、人生の一部分を共有しながら生きているだけなんだ...
と思えた時、
胸の中で引っかかっていた使えが取れたような
いちばん自分の中で、納得できる答えを教えてもらったような
そんな気持ちになりました。

自分の中では、その状況になっている答えを
いろんな角度から考えていたつもりでしたが、
その感情に前のめりになっていて
もっと引いて捉えたところに答えがあることにも気づけなかったんだな...
と思えました。

6月からは気持ちを切り替えたい!と思いながら
ジタバタしていましたが
これで本当に、気持ちを軽くすることができました。

自分のこの心境のタイミングで、この番組を見る機会に恵まれ
これも一つの縁だな...と感じています。

まだまだ知らない人が、たくさん悩んだり、苦しんだりしながら
自分と向き合い、真理に触れるような答えを探しながら
生きているんですよね。

篠田桃紅さん...私にとっての新たな出逢いでした。




※この番組の再放送が、6月6日 よる0時放送(金曜深夜) に
  予定されているそうです。
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by sawaki-home | 2015-05-31 04:17 | art

誕生日

 
シャガールの作品に 『誕生日』 という作品があります。
シャガール作品の中で、いちばん好きな作品なのですが、
彼の誕生日に、のちに妻となるベラが、野花を摘んで、彼の部屋を訪れ、
殺風景だった彼の部屋を、ストールなどで飾り、彼の誕生日を祝った...
その時の彼の喜びを絵にした作品と言われています。

彼の嬉しい気持ちが、宙を舞うように描かれていて、
そんな風に思われた彼女は、幸せだろうなぁ~と思えて、
すごく素敵な作品だなぁ...と感じます。

たとえ豪華なお祝いではなくても、そういう心が通い合う感触を得られる
出来事...ささいな一言とかでも、心がふわっと温まるような瞬間に
人は幸せを感じるものなのだろうな...と思います。

あなたの日々にも、そんな瞬間がたくさんあるように...

私自身も、そういう瞬間を、わずかでも与えられるような人になれたら...
と、思う、今日この頃です。

  
  


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by sawaki-home | 2013-12-29 00:45 | art

砂丘の写真家


日曜日の20時からETVで放送されているのは、
一週前の9時から放送されているものの、再放送だと思うのですが、
今夜は、写真家の植田正治さんを紹介するものでした。
勉強不足なもので、鳥取県ですぐに浮かぶのは、
鳥取砂丘と植田正治写真美術館くらいなのですが、いつか是非訪れてみたい
と思っている場所でもあります。

写真に対する知識は、あまり多くないのですが、
植田さんの写真は、一度観ただけで、とても印象に残る作品だと感じていて、
絵画好きの私には、ルネ・マグリットの作品をイメージさせるような、
なにかリズミカルな心地よさと、読み取れる解釈の広さを感じる気がします。


植田正治写真美術館は、冬期閉館中のようですが、
現在、東京ステーションギャラリーで、『生誕100年!植田正治のつくりかた』
と題した写真展が開催されているとのことです。
北海道で暮らしていると、観たいと思った展覧会に、なかなか行けない...
というのが、残念なところではありますが、
最近はBSなどでも美術番組がたくさん放送されているので、
ありがたいことだな...と思います。

どんなジャンルの作品にも、様々な技術的手法や表現方法があって、
それぞれに価値があり、心を捉えたり動かしたりするものは
どれも素晴らしいものだと、私は思います。
そしてそれが、ものづくりとは全くかけ離れた暮らしの中でも、そのスタンスが
生き方のヒントになるような気もしました。
何かにつけて途惑いがちで、心に窮屈さを感じることも多いのですが、
悩んだり、迷ったり、別の価値観で判断されても、
最後は、自分の心の目を信じていく...という選択でしか、
自分を納得させられないのだろうと思います。

12月という季節がら、何をしていても、これまでの反省と、今後を考える思考に
なりがちなのですが...
あなたは、何を想っているのでしょうか?
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by sawaki-home | 2013-12-08 22:09 | art

雨傘

ルノアールの絵画に『雨傘』という作品があります。

ルノアールといえば...印象派絵画!というイメージがありますが、この作品は、
印象主義の技法に疑問を持ち、イタリア旅行でアングルやラファエロなどの作品から、
独自の表現方法を見出していった時代に描かれたと言われる作品で、
印象主義的な技法と、それとは異なる技法の両方が、一枚の絵の中に描かれていて
当時の彼の思考錯誤がうかがえる作品なのだそうです。

私自身は、子供の頃に、我が家にあった画集を、絵本のように観ていた中で、
ただ、なんとなく、好きだな...と感じていて
大人になってから、その絵の解説を読んで、そういう作品なのか...と知ったのですが、
イギリスへ留学した友人が、ロンドンのナショナルギャラリーでこの絵を観て、
私が好きだと言っていたことを思いだし、『雨傘』の絵葉書を贈ってくれた...という
想い出もあって、彼の作品の中では、いちばん好きな作品と言えます。

雨傘が行き交う街角と、青い画面。

観ていると、雨音や靴音、水しぶきなどの街のざわめきが聴こえてくるような
そんな気がします。



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by sawaki-home | 2013-09-05 04:17 | art

Painting is poetry that is seen rather than felt, and poetry is painting that is felt rather than seen. [Leonardo da Vinci]


by sawaki
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